RPGツクールMV作品をスマホアプリにする方法-1

RPGツクールMV(私は英語版なのでRPG Maker MV)で作ったゲームを、単体のスマホアプリとして動かす事に成功したので、実際に動作させた感想とやり方を前後編で書きます。

ここで紹介している方法なら、全部無料でスマホアプリにできますよ(とても重要)

※各ソフト、OSのバージョンアップにより、ここに書かれている事が不正確になる可能性がある事を承知して読み進めてください。

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RPGツクールMVは「スマホアプリつくれるぜ」という触れ込みですが、現状はHTMLとして書き出されるのみです。
つまり

・スマホアプリ開発環境

・Cordova等のHTML5でスマホアプリにするツール

これらを使って自力でアプリをビルドする必要があります。

アプリで動かしたらどんな感じ?

・画面サイズが正方形
デフォルト状態ではワイドスクリーン向けのゲームが作れないようです。

正方形のままでもスマホアプリにする事はできます。ただし一般的なスマホのワイドスクリーンで表示させると額縁と称される何も表示されない部分の面積がかなり広いです。
この額縁の部分はタッチしても無反応なので、黒主体の作品やフェードアウト状態を多様する作品ではなんらかのフォローが必要になるかもしれません。

・画面サイズをワイド対応にしたい
「YEP_CoreEngine」というプラグインを使えば簡単に対応できます。
日本語版ではどうなるのかわかりませんが、英語版では無料DLC扱いでダウンロードされています。

インストールしたディレクトリの \RPG Maker MV\dlc\RPGmakerWeb_plugins\Yanfly
の中にありますので、必要に応じて自分のプロジェクトに加えます。

画面表示の方もある程度は整えてくれますし調整も可能ですが、「俺はこうしたいんだ!」という微調整は、(少なくともこれを書いた時に、自分が扱ったバージョンでは)JavaScriptを直接編集して行う事になるので若干の知識がないときついです。

・タイトル画面はどこかタッチするまで音が鳴りません。
これはバグではなく、昨今のブラウザには「メディアの再生はユーザーのクリックを以って開始するべき」みたいな思想がある為、アプリを開始した瞬間(ブラウザでいうとページを開いた直後)は、特殊な事をしない限りブラウザの仕様で音が鳴らないのだと思われます。
・メッセージ送り誤爆が目立つ?
タッチし続けていると、自動かつ高速にメッセージを送ります。
この機能自体は良いのですが、「押しっぱなし」と判断するまでの間隔が短いようで、普通に読み進めているつもりでも結構誤爆してメッセージを流してしまいました。
・右クリック(メニュー、キャンセル)=2本指タッチ
これ言われないとわかんないよ・3・;
ゲーム内で操作方法のフォローをするとか、プラグイン等でアプローチを変えたりしたいですね。
・画面が小さいとタッチで遊ぶのは物理的にきつい
自分の7インチタブレットAndroidで試しながら、これくらいのサイズがないと厳しいかなと思いました。
基本的に何かを決定する場合は文字をタッチするしかないので、小さい画面だと例えば戦闘開始時の「たたかう」「にげる」の決定部分を誤爆する可能性が高いと感じました。あと単純に対象指定がめんどくさいです。
タッチ操作しやすくなるようなプラグインが欲しいですね。(選択肢をボタンとして出せるとか、対象指定コマンドを画像タッチで指定できるとか)
・読み込みはほぼ遅延無し
サーバーにアップした物をスマホで動かした場合の体験談を見ると、画像やBGM等の素材を必要になる度に毎回ダウンロードして読み込むので、速度面でやや悲惨な事になっているようです。
アプリ化した場合は、当然ゲーム中に素材をダウンロードしない為、目立つ遅延は起きません。ただしスマホのスペックのせいか、移動中などにゲーム自体の処理落ち&大規模なフレームスキップは起きました。
・鳴らない音がある
効果音とかが鳴らない?
(原因を調査してなんとかしたい)→なんとかした

開発環境の準備

まったくの0からスタートするなら、まずはスマホの開発環境とCordovaを準備してくる必要があります。

幸いなことに既にインストール手順を詳しく解説していますので、まずはこちらを参考にしてスマホアプリ開発環境(AndroidならAndroidStudio、iPhoneならXcode)とCordovaを準備してください。

・Androidアプリ制作環境を準備する
Cordova開発環境の構築-PART4 を見に行く
(PART4と5で解説しています)

・HTMLをスマホアプリに変換する環境を準備する
Cordova開発環境の構築-PART1 を見に行く
(PART1と2で解説しています)

(おまけ)

プラグイン同士の干渉について

MVの各機能(画面表示から戦闘の管理もろもろ何もかも)はJavaScriptで提供されています。
そして、プラグインもまたJavaScriptのソースコードそのものです。

デフォルト状態から挙動を変更させる系のプラグイン(画面表示関連を変えるとか)は、関数の中身をまるまる書き換える事で実現しているので、同じ関数を書き換えるプラグインを複数利用すると、当然干渉してうまく動かないという事になります。

今回はスマホ実機での見え方と、Cordovaの準備について紹介しました。
次回はより具体的な、アプリにするまでの操作方法を紹介します。

「RPGツクールMV作品をスマホアプリにする方法-1」への3件のフィードバック

  1. ツクールMVは本当に簡単にスマホアプリが作れますよね。
    今まで挫折しまくっていた私でも簡単に作れました!

    質問なのですが、admobなどの広告の配信も
    cordovaのプラグインをつかえば簡単にできると調べているうちに
    わかったのですが、ツクールMV製のアプリにadmobを表示する場合
    チュートリアルがないので、私のような知識がない人にはハードルが高いです。。
    もし可能であれば、やり方をブログにアップしていただけないでしょうか?

    1. >JONさん
      CordovaでAdMob広告を表示する事自体はそんなに難しくはないので、
      後はツクールMVで使う時にお互いに干渉せずちゃんと表示できるかが肝になると思います。
      近い内に実際に試して記事にしますよ!

  2. >和氏之璧さん
    返信ありがとうございます。
    おお、心強いです!今のところ、海外フォーラムでも実際にスマホ用ADを入れている人がいないみたいなので、困っていました。

    広告が出せるようになれば、フリーゲームを開発しているツクラーもついにマネタイズが可能になるので、フリーゲーム製作者が増えそうですね。
    AppleのIADやグーグルのadmobなら、世界への広告配信も出来ますし、世界相手にフリーゲームを公開出来るなど夢が広がります。

    副業フリーゲーム製作者が増えてフリゲ界隈が活発化したらいいなぁ、と個人的には思っています。
    期待してます!

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